友人を部屋に呼んだときに、ベッドの上に並んだ2個の枕を見て「あれ、なんで2個あるの?」と聞かれたことがある——一人暮らしをしている人なら、一度くらい経験があるかもしれません。私も一人暮らしをしていた15年ほどの間に3回引っ越しをしましたが、どの部屋でも枕だけは2個使っていて、遊びに来た人に不思議そうな顔をされた記憶があります。結論から言うと、枕を2個持つこと自体はまったく変ではありません。ホテルのシングルルームでも枕が2つ用意されていることは珍しくありませんし、実際にある枕メーカーの調査でも、日本人の3割以上が枕を2個以上持っているというデータが出ているほどです。この記事では、一人暮らしで枕が2個あっても不自然ではない理由と、使い分けるメリット・気をつけたい点、用途別の選び方、そして狭い部屋でも困らない収納やお手入れのコツまで、私自身の経験も交えながらお伝えします。目次は、変じゃない理由/メリットと選び方/収納とお手入れ/注意点、という順で進みます。
この記事を書いた人:ちき(快眠ヒルズ編集長)
一人暮らし歴は約15年、その間に3回の引っ越しを経験しました。引っ越しのたびに部屋の広さや収納事情に合わせてマットレス・枕・掛け布団などの寝具を一から見直し、入れ替えてきました。現在は結婚し、一軒家で暮らしていますが、一人暮らし時代に培った「限られた予算とスペースでも後悔しない寝具選び」の視点は今も変わらず、メーカー公式情報や第三者のレビューといった一次情報をリサーチしながら、実生活に基づいた記事を執筆しています。
一人暮らしで枕2個は変じゃない
枕を複数使うのは、実はそれほど珍しい習慣ではありません。ホテルのシングルルームやツインルームでは、宿泊者が1人でも枕が2つ用意されていることが多く、これは寝返りのしやすさや寝姿勢の好みに応じて使い分けられるようにという配慮だと言われています。さきほど触れた調査でも、枕を2個以上持っている人は34.3%にのぼり、内訳を見ると2個持ちが25.7%、3個持ちが4.9%、4個以上が3.7%だったそうです。しかも複数持ちの割合はシニア層ほど高く、60代で約半数、70代以上では半数を超えるというデータもあり、年齢を重ねるほど「自分に合った寝心地」を追求して枕が増えていく人が多いのかもしれません。一人暮らしの部屋でも構図は同じで、来客用にもう1個置いているだけの人もいれば、頭を支える枕と体を支える枕を役割分担させて、寝心地そのものを整えるために2個使っている人もいます。もし友人や恋人に「なんで2個あるの?」と聞かれたときのために、自分なりの理由を一言で説明できるようにしておくと、変に気まずくならずに済むはずです。
枕を2個使うメリット
枕を2個持っておく一番のメリットは、頭を支えるメイン枕と、体を預ける抱き枕を分けられることです。横向きや仰向けなど、そのときどきで楽な寝姿勢を保ちやすくなりますし、寝返りを打ったときにもう片方の枕がクッション代わりになってくれることもあります。加えて、友人や恋人が泊まりに来たときにすぐもう1組の寝具を用意できるのも地味にありがたいポイントですし、片方のカバーを洗っている間もう片方をそのまま使えるので、洗濯のタイミングで「今夜使う枕がない」と焦らずに済むのも実用的なメリットだと感じています。来客の予定がほとんどない人でも、寝返りのしやすさだけで2個持つ価値は十分にあります。逆に言えば、「来客用だから」という理由だけで無理に持つ必要はまったくありません。
用途別・枕の選び方
枕を2個使うなら、同じものを2つ並べるより、役割ごとに素材や硬さを変えたほうが快眠につながります。
メイン枕(頭を支える枕)
メイン枕は首や後頭部をしっかり支える役割なので、ある程度硬さのある素材が向いています。仰向けで寝たときに首の角度が自然に保てる高さを選び、パイプ製や低反発ウレタンなど、寝返りのたびにへたりにくい素材を選んでおくと、長く使っても寝心地が安定しやすいはずです。高さの合わない枕が引き起こす不調は肩こりや首の痛みにつながりやすいので、まずは自分に合う高さを把握しておくと選びやすくなります。
具体的な商品で選びたい方は、肩こりに悩む在宅ワーカー向けの枕おすすめランキングも参考にしてみてください。
抱き枕・補助枕(体を支える枕)
抱き枕は体全体を預ける枕なので、メイン枕よりやわらかく、体にフィットする素材のほうが快適です。体の横幅より少し長めのものを選んでおくと脚の間に挟んでも安定しますし、中綿やわたのように抱えたときにやさしく沈み込む素材だと、寝返りの負担も減らせます。
ただし、抱き枕は誰にでも必要というわけではありません。効果を感じやすいのは主に横向きで寝る人で、股関節や肩まわりの負担を分散させやすいためです。仰向けやうつ伏せで寝る習慣がある人は、抱き枕がなくても困らないことが多いので、まずは大きめのクッションやタオルケットを丸めたもので代用してみて、合いそうだと感じてから専用の抱き枕を買うという順番でも遅くはありません。ちなみに、寝姿勢を専門にみているところでは、横向き寝の人は肩から首にかけて枕をセッティングするだけでなく、膝の間に小さめのクッションを挟むと骨盤まわりの歪みがやわらぎやすいとも紹介されています。抱き枕を1個で済ませたい場合は、体に沿わせる部分と膝に挟む部分を兼用できる長めのタイプを選んでおくと、収納するアイテムを増やさずに済むので一人暮らしには扱いやすいかもしれません。
なお、妊娠中に使われるマタニティピロー(授乳クッション兼用のものも含む)は、お腹や腰を支えることを目的に設計された別物です。同じ「抱き枕」という言葉でくくられがちですが、選び方の基準は一般的な抱き枕とは異なるので、その場合は妊娠期向けの製品を探すほうが失敗が少ないでしょう。来客用としても兼用したい場合は、汎用性の高い中程度の硬さの枕を選んでおくと、自分用にも来客用にも使い回しやすくなります。
一人暮らしの収納・スペース節約のコツ
一人暮らしのワンルームでは、枕が1個増えるだけでも収納の負担を感じることがあります。同じように掛け布団も一人暮らしの洗濯・収納事情に合わせて選ぶと、寝具全体の置き場所に困りにくくなります。私自身、これまで何度か引っ越しをしてきましたが、部屋の広さも収納の造り付けも住まいごとにけっこう違っていて、部屋が狭いときほど「増やす前にどう収納するか」を先に決めておいたほうが、あとあとラクだったという記憶があります。具体的には、こんな工夫をしてきました。
- 使わない枕は圧縮袋に入れて、ベッド下や収納棚の隙間に収める
- 収納付きベッドフレームなら、来客用の枕はそこにまとめておく
- 普段使わない抱き枕は、カバーごと大きめの巾着やケースにまとめてホコリを防ぐ
- 来客用の枕は季節家電やオフシーズンの寝具と一緒に置き場所を決めておく
さらに、部屋のスペースにどうしても余裕がない場合は、抱き枕を持たずにタオルケットやブランケットを丸めて代用する、あるいは使うときだけ膨らませる携帯用クッションを選ぶという方法もあります。折りたたむと薄くなるタイプの抱き枕なら、収納スペースを最小限に抑えられるでしょう。枕を重ねて置くだけでも省スペースにはなりますが、湿気がこもらないよう時々陰干しをしておくと安心です。
枕カバーのお手入れについて
枕本体を洗う機会は少ないぶん、清潔さを左右するのはカバーです。目安として週1回程度洗濯しておけば、皮脂や汗によるニオイや肌トラブルは防ぎやすくなると言われています。汗をかきやすい季節はもう少し頻度を上げてもいいかもしれません。2個の枕を使っていれば、片方を洗濯している間もう片方を使えるので、洗濯のタイミングで「枕がない」と困ることもないのは、地味に助かるポイントです。来客用として普段使わない枕は、出す直前に一度洗ってから使うと気持ちよく使ってもらえるはずです。
枕2個のデメリットや注意点も知っておく
ここまで良いことばかり並べてきましたが、部屋の広さやベッドのサイズによっては注意も必要です。シングルベッドの幅ぎりぎりに2個の枕を並べると、かえって寝返りのスペースが狭くなり、枕同士がぶつかって落ちやすくなることもあります。枕が増えるほど洗濯やお手入れの手間も増えるので、「とりあえず2個」ではなく、自分の寝姿勢や生活スタイルに合っているかを一度考えてから増やすくらいで、ちょうどいいと思います。
枕2個だからこそできる、ちょっとした活用アイデア
正直に言うと、私も最初は「メイン用」「抱き枕用」で2個を使い分けているだけで、それ以上の使い方は考えていませんでした。でも一人暮らしを続けるうちに、2個あるからこそできる小さな工夫がいくつも見つかったので紹介します。
まず腰が重だるいと感じる日は、抱き枕用の枕を仰向けのまま膝の下に入れてみてください。膝を軽く曲げた状態で支えると、腰への負担がふっと抜ける感覚があります。10〜15分程度、就寝前にストレッチ代わりに試すだけでも違いを感じやすいので、腰痛がちな在宅ワーカーの方にはぜひ一度試してほしい使い方です。
また、横向きで寝る日には、抱き枕を体の前に抱えるだけでなく、両膝の間に挟んでみるのもおすすめです。骨盤の歪みが気になりにくくなるほか、脚のむくみが気になる季節は、就寝時に足首の下に置いて少し高さを作ると、翌朝の脚の軽さが変わってくることがあります(効果には個人差があります)。
2個持ちは「予備」「来客用」という受け身の理由だけでなく、その日の体調に合わせて役割を変えられる柔軟さも魅力です。1個しかなければできない工夫なので、すでに2個持っている方はぜひ試してみてください。
よくある質問
Q. 枕が2個あるのは、やっぱり少し変わっていますか? A. 記事の冒頭でも触れた通り、日本人の3人に1人以上が複数の枕を持っているというデータもあり、決して珍しいことではありません。用途を分けて使っている人がほとんどです。
Q. 抱き枕は絶対に必要ですか? A. いいえ。仰向けやうつ伏せで眠る方には必須ではありません。まずは大きめのクッションやタオルケットで代用してみて、しっくりくるようなら購入を検討する、という順番で十分です。
Q. 2個目の枕はどこで揃えるのがいいですか? A. メイン枕と同じシリーズで揃える必要はありません。抱き枕は好みの柔らかさを優先して選び、来客用にはやや中間的な硬さのものを選ぶと、誰が使っても失敗が少なくなります。
まとめ
一人暮らしで枕を2個持つことは、変わったことでも贅沢なことでもありません。頭を支えるメイン枕と、体を預ける抱き枕・補助枕を役割分担させれば、寝返りのしやすさや寝姿勢の安定につながりますし、来客時の予備としても役立ちます。ただし抱き枕は全員に必須というわけではなく、自分の寝姿勢に合うかどうかを見極めてから選ぶくらいがちょうどいいはずです。私自身、一人暮らしをしていたころは引っ越しのたびに部屋の広さも収納も変わって、そのたびに寝具を見直してきましたが、枕だけは2個体制をずっと崩さずにきました。結婚して一軒家に住むようになった今でも、頭用と抱き枕用を分ける習慣は変わっていません。用途に合わせて硬さや素材を選び分け、収納スペースを工夫しながらカバーのお手入れも忘れずに——それだけで、一人暮らしの寝室はぐっと快適になるはずです。


コメント