在宅ワークで増えた肩こり・腰痛と睡眠の関係を解説

在宅ワークのデスクとノートパソコン 悩み別特集

在宅ワークになってから「肩こり・腰痛がひどくなった」と感じていませんか

在宅ワーク中心の生活になってから、以前より肩や腰の重さを感じる日が増えた——正直、私自身もそう感じている一人です。通勤していた頃はそれほど気にしていなかったのに、家で仕事をする時間が長くなるにつれて、気づいたら肩がこわばっていたり、腰が重だるくなっていたりする。同じように感じている方は、きっと少なくないはずです。

実際、こうした感覚は思い込みだけではないようです。スポーツ庁の広報記事でも、テレワークによって肩こり・腰痛が増加している実態と対策が取り上げられていますし出典:スポーツ庁 Web広報マガジン「テレワークで肩こり・腰痛が増加 その対策教えます」、第一三共ヘルスケアの調査では在宅勤務経験者の約3人に2人が「テレワーク不調」を感じ、その中でも肩こり・腰痛が上位に挙がったと報告されています出典:第一三共ヘルスケア株式会社「3人に2人が感じる『テレワーク不調』 肩こり・腰痛が多く、業務効率低下に」。数字を見て、「やっぱり自分だけじゃなかったんだ」と少しほっとした方もいるかもしれません。

この記事では、在宅ワークによって日中の体の使い方がどう変わり、それが夜の眠りにどうつながっていくのかを、私自身の実感も交えながら整理してみます。特に一人暮らしで在宅ワークをしている方に向けて、今日からできる工夫と、睡眠環境を見直すヒントをお届けできればと思います。

この記事を書いた人:ちき(快眠ヒルズ編集長)

一人暮らし歴は約15年、その間に3回の引っ越しを経験しました。引っ越しのたびに部屋の広さや収納事情に合わせてマットレス・枕・掛け布団などの寝具を一から見直し、入れ替えてきました。現在は結婚し、一軒家で暮らしていますが、一人暮らし時代に培った「限られた予算とスペースでも後悔しない寝具選び」の視点は今も変わらず、メーカー公式情報や第三者のレビューといった一次情報をリサーチしながら、実生活に基づいた記事を執筆しています。

通勤時代と在宅ワーク時代、体の動かし方はこんなに違う

「デスクワーク自体は前と同じはず」——そう思っていたのですが、振り返ってみると、通勤という行為には、意識しないところで体を動かす機会がたくさん詰まっていたことに気づきました。駅までの徒歩、階段の上り下り、電車内で立っている時間、オフィス内を移動して打ち合わせに向かう足取り。地味だけれど、これが「ながら運動」として1日に何度も体を動かすきっかけになっていたようです。

  • 通勤時代:駅までの徒歩、階段の上り下り、電車内での立位、オフィス内を移動して打ち合わせに向かうといった「ながら運動」が1日に何度もあった
  • 在宅ワーク時代:玄関から仕事部屋まで数歩、オンライン会議も座ったまま完結し、一度座ると数時間動かないことも珍しくない
  • 通勤時代:オフィスの椅子や机は業務用に整えられていることが多い
  • 在宅ワーク時代:ワンルームや1Kの限られたスペースでは、ダイニングテーブルや座卓・こたつをそのままデスク代わりに使っているケースも多く、姿勢が崩れやすい

こうした変化はデスクワーク全般や座りっぱなしの生活習慣病リスクとしても指摘されていて(出典:日本生活習慣病予防協会「テレワーク・自宅待機による運動不足による生活習慣病リスクとその解消法」)、単なる気のせいではなく、生活動線そのものが変わったことの影響だと考えると、少し納得がいきます。

一人暮らし×在宅ワーカーだからこそ起きやすいこと

同じ在宅ワークでも、家族と暮らしている場合と一人暮らしの場合とでは、状況が少し違う気がしています。一人暮らしの在宅ワーカーには、次のような要因が重なりやすいのではないでしょうか。

  • 作業スペースを専用に確保しにくく、食事も仕事も同じダイニングテーブルで完結してしまう
  • 猫背や前かがみの姿勢になっていても、「そろそろ休憩したら」「姿勢悪いよ」と声をかけてくれる同僚や家族がいない
  • 誰かの目がないぶん、つい長時間同じ姿勢のまま作業に没頭してしまいやすい
  • 体の不調を感じても相談する相手が身近におらず、対処が後回しになりやすい

この「誰にも気づいてもらえない」環境は、一人暮らし在宅ワーカーならではの見落としやすいポイントだと思います。だからこそ、自分自身で意識的に休憩や姿勢のリセットを取り入れる必要があるのでしょう。

日中の疲労やこりが、夜の眠りに影響する仕組み

肩や腰のこわばりと睡眠は、どうやら無関係ではないようです。日中に蓄積した体の緊張や痛みは、就寝時のリラックスを妨げ、寝つきにくさや途中で目が覚めやすい状態と関連があると言われています出典:健康道場「痛みと睡眠の不思議な連鎖。睡眠不足は肩こり・腰痛に悪影響」。逆に睡眠不足が続くと痛みへの感受性が高まりやすくなるとも指摘されていて、日中の体の負担と夜の睡眠の質は、互いに影響し合う関係にあると考えられているようです。

つまり「日中の姿勢の崩れ→夕方以降のこり・だるさ→寝つきの悪化・眠りの浅さ→翌日も疲れが取れないまま仕事に向かう」という、なんとも厄介な悪循環に陥りやすいのが、在宅ワーカーの睡眠の悩みの特徴と言えそうです。

※ここで紹介しているのは医療的な診断ではなく、生活習慣の一つの視点としての情報です。痛みが強い、長く続く、しびれを伴うといった場合は、寝具だけで対処しようとせず、整形外科など医療機関に相談することをおすすめします。

今日からできる日中の対策

睡眠環境を整える前に、まずは日中の体の使い方を少し見直すだけでも、夜の状態が変わってくる可能性があります。私自身も取り入れているものを含めて、いくつか挙げてみます。

  • 1時間に1回は椅子から立ち上がり、肩を回す・伸びをするなど軽いストレッチを挟む
  • ダイニングテーブルで作業する場合は、クッションや座布団で座面の高さを調整し、モニターの目線を上げる
  • こたつ・座卓での作業はなるべく短時間にとどめ、長時間作業は椅子とテーブルに切り替える
  • オンライン会議の前後など、区切りのタイミングで意識的に立って歩く時間を作る
  • 就寝前に肩や腰を軽く動かし、日中の緊張をその日のうちにリセットする習慣をつける

作業環境を見直す|椅子とデスクの具体的な整え方

「今日からできる対策」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、実は多くの腰痛・肩こりは、椅子とデスクの位置関係を少し変えるだけでも負担が軽くなります。ここでは、在宅ワークの環境でも意識しやすい具体的な目安を紹介します。

まず椅子に座ったとき、膝の角度がおよそ90度になり、足の裏全体が床にしっかりつく高さに調整してください。足が浮いている、逆に膝が窮屈に曲がっているという状態は、それだけで骨盤が傾き、腰への負担につながります。背もたれには背中と骨盤をしっかり預け、猫背にならないよう意識しましょう。

デスクの高さは、肘の角度がおよそ90〜110度になる位置が目安です。肘が下がりすぎるとキーボードを打つたびに肩がすくみ、上がりすぎると腕全体に力が入りやすくなります。ノートパソコンをそのまま床に近いローテーブルやこたつで使っている場合は、この角度を作るのがそもそも難しいため、できれば椅子と机のある環境に切り替えることをおすすめします。

もし今使っている椅子の座面が体に合っていないと感じる場合、折りたたんだタオルを腰や骨盤の後ろに挟んでみてください。専用のランバーサポートが無くても、簡易的に姿勢をサポートできます。モニターの上端が目線と同じか、やや下にくる高さに調整することも忘れずに。ノートパソコンであれば、スタンドや積み上げた本の上に置くだけでも効果があります。

日中にできる、具体的なリセット習慣

環境を整えたら、次は体を動かす習慣です。ポイントは「まとめて長時間」ではなく「こまめに短時間」動かすことです。

目安として30分〜1時間に一度は椅子から立ち上がり、軽く体を動かしてください。特におすすめなのが、仰向けに寝転んで片膝を両手で抱え、胸に引き寄せるストレッチです。腸腰筋という、股関節から腰にかけての筋肉をゆるめる動きで、デスクワークで固まりがちな腰まわりを直接ほぐすことができます。ベッドや床に横になれる環境であれば、休憩のたびに1分だけでも試してみてください。

こたつや座卓での作業がどうしても続いてしまう日は、せめて1時間に一度は立ち上がって伸びをする、肩を大きく回すといった簡単な動作を挟むようにしましょう。そして就寝前には、日中にこわばった肩や腰を軽く動かし、その日の緊張をその日のうちにリセットしておくことが、翌朝のだるさを持ち越さないコツです。

もし可能であれば、湯船にぬるめのお湯で15分ほどつかる習慣もおすすめです。入浴中に軽く腰や肩を回すと血流が促され、日中に固まった筋肉がほぐれやすくなります。シャワーだけで済ませがちな一人暮らしの方こそ、意識して取り入れてみてください。

まとめ

在宅ワークは通勤という「無意識の運動機会」を奪い、一人暮らしという環境は「誰かに姿勢を指摘してもらえない」状況を生み出します。この二つが重なることで、肩こり・腰痛が慢性化しやすくなり、それが夜の睡眠の質にも影響していく——これが一人暮らし×在宅ワーカーに特有の悪循環だと感じています。

日中の対策を試してみるのはもちろん大切ですが、それと合わせて、体への負担を受け止める睡眠環境そのものを見直すことも、忘れずにいたい視点です。当サイトでは、一人暮らしの部屋でも取り入れやすいマットレスや枕を比較・紹介しています。体に合った寝具選びの参考に、ぜひあわせてご覧ください。

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